「休みたくても休めない」
友人や同僚からこんな言葉を聞いたことがあるはずだ。
「休みたいなら休めばいいのに」
周りから見ていると至極簡単なことだと思いがちだが、本人にとっては何よりも難しいことのように感じてしまう。
その正体は、ズバリ「罪悪感」だ。
日本人は諸外国と比べても働き過ぎだと言われる。
その根底には「働かざるもの食うべからず」という価値観があるからだ。
ブラック企業であれば、休みを取ることは難しい場合もあるだろう。
しかし、いわゆる「ブラック企業」の数は、企業の数全体と比較すれば割合としては多くはない。
注目されるのは、メディアが取り上げる中で、インパクトを持たせるために大げさに伝えている部分もあるからだ。
もちろん、そんなブラック企業に入ってしまった人には、即刻退職してまともな企業へ移ってほしい。
とはいえ、私たち日本人の中には
「ちゃんとした会社で働かなければ、世間から、周囲から白い目で見られる」
という思い込みがあるようだ。
だが、ハッキリ言って、それは思い込みにしか過ぎない。
街を歩いていて、電車に乗っていて
「あの人は働いていないんだって」
と、あなたを見て思う人は皆無だ。
偶然すれ違い、あるいは乗り合わせた、どこの誰とも知らない人の素性など何の興味もないからだ。
「働いていない」というのは、あくまでも状態であって、あなた自身ではない。
働いていない自分を責めているのは、他ならないあなた自身だ。
であれば、「なぜ自分は働いていない人のことを責めてしまうんだろう」と自分の感じ方を見つめ直した方がいい。
「働いていない」という言葉の中には
- 休暇だから働いていない
- 働きたくても働けない状態
- 働けるのに働いていない
など、人によって状況はまちまちだ。
それぞれに理由があり、真実は本人にしか分からない。
だから、休めるのであれば休んでしまった方がいいのだ。
会社は、社員が入れ替わっても業務が滞らないように、本来必要な数以上の社員を抱えている。
リスクヘッジをしているのだ。
だから、正々堂々と休んで、他の社員に任せてしまえばいい。